日々是好日」2010年1月、2月 管理人のページ                2009年11月12月のページへ 

2010年2月18日(木)
木馬
 金原明善翁の天竜川流域植林の一番上流が瀬尻の国有林です。戦後、昭和30年〜40年にかけては、日本の復興に必要な建築用材としてスギ・ヒノキの伐木が、山から搬出されました。
その時活躍したのが「木馬」です。急峻な山の斜面に沿って、細い丸太材を鉄道の枕木状に山道に並べた木馬道(橇道)の上を、数十本位束ねた材木丸太を「木馬 (橇台)」に載せ滑り下ろしました。

写真の「木馬」は瀬尻国有林で活躍した元森林官の立石さん(浜北区在住、86歳)が復元したミニチュアです。肩掛けの綱や弁当の袋が正確に再現され、往時の森林作業を知る貴重なものです。復元をお願いした「龍山ふるさと村」の喫茶室に展示されています。
立石さんからは瀬尻の国有林の様々な歴史や植生、地形など、今では語り継がれることのなくなってお話を伺うことが出来ます。世界遺産の会では、立石さんからの聞き取りをして龍山の森林文化を記録したいと考えています。
2010年2月10日(水)
白橿の棚田
浜松市北区引佐町田畑地区にある白橿の棚田を見学しました。
この棚田は数十年前に耕作放棄され、雑木と蔦が絡んで踏み入る余地のない急斜面に残された棚田跡を住民有志「里山元気モリモリ隊」という地域おこしグループが復元したものです。
案内の小野寺英和(竜ヶ岩洞支配人)さんは、先人が残してくれた貴重な農村文化遺産である棚田の復元は、単に棚田のある景観の保護や環境保全にとどまらず、近隣同士の共助の在り方をも体験できる恰好の場になっていると話してくれました。

簡易トイレやオープンデッキが完備し、遥かに引佐町の町並みを眺め、お弁当を広げ、一休みできる明るい景観が魅力的な棚田です。棚田の水源となる清涼な湧水が流れ出す沢には、生き生きと繁茂するセキショウが見事でした。
初夏にはホタルが乱舞し蛙の大合唱が谷間に響くというその頃の棚田をまた訪ねようと思う。
2010年2月3日(水)
龍山・ホソバシャクナゲ群落(静岡県天然記念物指定)
浜松市天竜区龍山町瀬尻の国有林の中に、ホソバシャクナゲ(一名エンシュウシャクナゲ)の群落があります。静岡県と愛知県の山地にのみ自生し、静岡県の天然記念物に指定されています。近年、森林の荒廃や生育環境の変化により、自生しているものが激減し、環境省レッドデータリストによると絶滅危惧U類となっています。
瀬尻の群落は、杉の植林地(国有林)の中にあります。生育環境は、杉の高木が太陽を遮り、昼なお暗く、崩壊しやすい急斜面です。ホソバシャクナゲは懸命に光を求めて伸び、細い幹をくねらせて山肌にしがみき、やっと生きているようです。周囲には実生の幼木も見られません。おそらくここ数年花が咲かない状態だと考えられます。光が差し込む、高圧線下の伐採地周辺尾根にのみ、花が咲いた形跡の結実した株があり、僅かに花芽も見られ、実生の幼木も育ちつつあるようです。
この地球上のここにしか自生しない「ホソバシャクナゲ」をこの地に生きる私たちは、かけがえのない宝として、大切にするアクションを続けたいと思います。
「世界遺産の会」では緑の羽根募金の助成を受けて、ホソバシャクナゲの生育状態調査を進めています。
2010年1月22日(金)
千葉山 智満寺
53年ぶりの御開帳になる、島田市指定文化財の秘仏千手観音立像を拝観しました。智満寺のご本尊である秘仏の千手観音(国指定の重要文化財)御開帳は60年に一度とされ、こちらは1994年にご開帳がありました。次は、2053年でしょうか。

智満寺は771年、廣智菩薩によって開創されたたと伝えられています。廣智菩薩は、鑑真和上の孫弟子であり、弟子には、天台宗を開いた最澄や空海などの高僧もいたことを解説書(今回の御開帳を期して、発行された)で知りました。

30年ほど前の正月に参拝した折、ユーモラスなお姿に惹かれて、元三大師のお札をいただきました。
厄病神を退治してくれので、忌門に掲げておくようにといわれました。
今回の御開帳では、秘仏の元三大師坐像(島田市指定文化財)とお厨子(県指定文化財)も拝観できました。お札のお姿とは、俄かに結び付かない大きな坐像を拝んでいるうちに、厄病神が退散する威厳が伝わってきました。
今回も元三大師のお札を頂いてきました。お寺によってお札のお姿も様々です。
2010年1月15日(金)
小豆粥
7日の「七草粥」、11日の鏡開きの「おしるこ」、15日・小正月の「小豆粥」、これで我が家のお正月歳時記が無事終えました。
小豆粥を食べる風習は、一年間の邪気を払い、万病を除くと平安時代から言い伝えられている小正月の習わしだといわれます。

土佐日記に「小豆粥なし」 十五日、今日、小豆粥煮ず。口惜しく、なほ日の悪しければ、ゐざるほどにぞ、今日二十日あまり経ぬる。いたづらに日を経れば、人々海を眺めつゝぞある。女の童の言へる、、、などとありますが、
 
わが家でも、子供のころからの習わしを毎年続けています。
グズグズしているうちに今年も日数は過ぎていきます。今朝、、無駄に費やす時間を惜しむ戒めに「小豆粥」を食べました。
2010年1月7日(木)
七草粥

「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ。スズシロ」これが春野草の七草です。「七草なずな 唐土の鳥が、日本の土地に、渡らぬ先に・・・・」などと俎板を包丁でたたきながら、七草粥囃子を歌って七草を刻み、お粥にします。

七草は畑や水田に生育するものばかりで、年々探すのに苦労します。今年も寒風の中を半日がかりで集めました。

炊きあがった粥に、七草をたっぷり入れ、塩昆布、浜納豆を添えていただきます。
寒に堪えて、生きる若草の生命を頂く、ありがたいこと限りなし。今年の無病息災が約束されたおもいがします。

2010年1月2日(土)
2010年が佳い年であるように
新年を迎え、昨日と違う何かを感じるのは何故か。
12月31日から1月1日へ、カレンダーの数字が、振り出しに戻っただけではない。2010年という時の経過が厳然と存在するからだと思う。
この一年、世界の平和と健やかな日々を願って「行う」ことが出来れば最高です。
天竜美林育ちの間伐材利用の「虎」が今年も災いに立ち向かわんばかりに、大きな口をあけて吠えています。森林環境の保全をも担う頼もしい「虎」です。
天竜森林組合で生まれたこの「虎」は、ヒノキ材をかわいらしいトラの形に切断し、女性職員がアクリル絵の具で色付けした。ヒノキのきれいな木目、黒と黄色のトラ模様、首に巻いた鈴がアクセント、高さ7・5センチの手のひらサイズで、檜の台座が付いています。価格は1300円でした。20頭購入し、世界寺子屋運動などのバザーで募金活動にも参加してもらいました。。


                       

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